ここでは、掲示板などに多く寄せられるご質問のいくつかについて、まとめてありますので、掲示板でご質問される前に、一度目を通していただくことをお薦めします。
<注意!>
回答については、その都度指導監督をしている部署に確認してはいますが、都道府県毎に若干の違いが見られる他に、文書によるものではないものも含まれていますので、必要に応じて各地の指導監督部署に確認してください。
協会に関する事
Q.POTAとOT協会の関係は?
A.POTA(Psychiatric Occupational Therapy Asosietion)は OT協会ができる1年前に精神科作業療法に関わる人たちで設立されました。当時は作業療法士よりも、看護師(士)や作業指導者が主でしたが、現在のPOTAは作業療法士が多くなり必然的にOT協会の会員も増えてきたために「OT協会の中の専門分科」と思われがちですが、OT協会は作業療法士の集まりであり、POTAはあくまでも精神科作業療法を行う人たちの集まりです。ですから組織ととしては別ですが、関連団体としてお互いに情報交換などを行っております。
Q.POTAへの入会方法
A.このホームページからも入会できますが、正式には入会金及び年会費が納入された時点から会員登録されます。
しかしこのホームページでは、会員以外の方もご自由にお使いいただけますので、お気軽に何でもご相談ください。
外来に関する事
Q.精神科作業療法に専属のOTが外来OTを行っても良いのですか
A.精神科作業療法に関する基準を満たしていれば特に問題はありませんし、レセプト請求も可能です(ただし、一人のOTが請求できる人数は、外来・入院を含めて75名まで)しかし、病棟専属(例えば精神科療養病棟など人員基準の中で登録されている)OTは基本的に不可です。
Q.外来OTの記録や診察について
A.記録については、外来カルテに作業療法実施状況を記録しても良いようですが、時には「カルテは医師以外記載は出来ない」とする見解もあるようです。
医師の診察は、再診料との関係で必要です。「実施するたびに医師による状態確認が必要」で有り、外来カルテに医師の記載(あるいはサイン)があればよいと思います。
開設に関する事
Q.新卒一人で開設するのですが・・・
A.心細いと思いますが 、頑張ってください。POTA機関誌のバックナンバー、VOL20(2001年度版)に開設のポイントというのが載っていますので、是非ご参照ください。
Q.予算(材料費などの消耗品を含む)はどのように考えたらよいでしょうか?
A.各施設の規模や条件、方針など様々ですの一概には言えませんが、これまで掲示板に書き込まれたものからいくつかご紹介します。
・ゼロからはじめて、職員に寄付を募る
・事前に月ごとや年ごとに一定額をもらっておく、その金額はレセプトの5%とか、月10万円 ・・・など
Q.精神科デイケア開設時の必要書類は何ですか?
A.届け出の窓口は、各地方社会保険事務局ですので、相談・確認することをお薦めしますが基本的なものだけ以下に羅列します。
「施設基準に係る届出書」「従事者数や専用施設の面積等を記入する添付書類」「専従者名簿」「一日平均の取り扱い患者数」「専用施設の配置図及び平面図」「器具目録」「処方箋」「患者数、職員数の分かる業務日誌」「評価表」「個人経過記録」「活動プログラム表」「治療計画書」「他部門との連絡表」
記録に関する事
Q.施設基準にある「診療録」とは具体的にどのことを指すのか
A.「診療録」につきましては、原則として医師が書く「カルテ」を指すのですが、実際にはOTが書く実施記録でそれに換えているところが大部分だと思います。最近は電子カルテの普及で「カルテの一元化」が進んでおりますので、紙媒体のカルテも一冊にして、時系列で医師・看護師・OT 等が記載するところも増えてきているようです。
ただ、多くのところではまだ、診療記録が別々ですので、その際には、医師のカルテに、OT開始等の指示をした記載が必要です。一部では医師のカルテに毎回記載が必要と指導されている県もあるようです。
Q.日々の記録が大変ですが、簡略化はできないでしょうか?
A.実施記録は確かに大変ですが、自分にとって、関係者にとっても必要なことですので頑張っていただきたいと思います。ただ記録に時間がとられて、肝心の患者さんと接する時間が無くなってしまうのは困りますよね。とある監査官から「最低3行は書いていないと記録とは言えない」といわれたという報告もありますので、一応ご参考まで。
Q.経過報告書について
A.結論からいいますと、経過報告書は基準としては無くても良いものですが、実際はほとんどの施設で行ってるものですし、他職種との連携には不可欠なものだと思います。ただ報告期間については、施設ごとに様々で、3ヶ月毎、6ヶ月毎、1年毎あるいは、必要に応じてメールでのやりとりをしている、などあるようです。
Q.一日の取り扱い人数の75人というのは、月の平均がこの中におさまっていればよいのですか
A.一日一日での人数です。時にプログラムによってはこれを越える参加がありますが、75人以上は認められません。最近では1単位25人枠を超えた場合も認められなかったケースがあります
Q.活動中に中座した患者のレセプト請求はできますか(いわゆる2時間枠)
A.レセプトの請求は一日が単位になりますので、その日の関わりのトータルで考えて良いでしょう(例えば午前1時間+午後1時間など)が、その際には時間等の記録はしっかりしておく必要があります。ここでも活動中の休憩時間はプログラムと認められず、休憩時間分を2時間にプラスするようにと杓子定規的指導がされたケースがあります
Q.OTのオーダーに期限はありますか
A.明確に表示されたものはありませんが、長期入院者が多い場合、知らず知らずのうちに職員もホスピタリズムに陥ってしまい、惰性でプログラムを行う危険性もありますので、少なくとも年に一度は再評価するとともに、オーダーの期限も1年とすることが望ましく、最近の傾向としては6ヶ月としているところも多くなっています。
施設基準に関する事
Q.精神療養病棟と精神科作業療法の関係は?
A.精神療養病棟をもつ病院が多くなってきていますので、いろいろと問題も出てきているようですので、分かる範囲で整理したいと思います。
・精神療養病棟は病棟単位で認可され、包括診療(いわゆる「まるめ」)で、病棟入院料
にほとんどの診療が含まれます。人員基準として、病棟に専従するOT(あるいは作業療法の経験を有する看護師)が必要です。
・精神科作業療法は施設基準を満たした病院単位で認可され、専従するOTが必要です。
・従って、精神療養病棟を担当するOTと精神科作業療法を担当するOTは別々で有り、兼務はできません。
・精神療養病棟1では精神科専門療法(精神科作業療法も含む)は別に算定できますので、病棟専従のOTではなく、精神科作業療法に専従するOTが行えば算定できないことはありません。
しかし病棟に専従するOTが行う業務と精神科作業療法に専従するOTが行う業務の違い(病棟担当OTは機能訓練、病院専従OTは職業前訓練を行うなど)を明確にしないと、病棟にOTが専従する意味が希薄になってしまいます。病棟に専従するOTが行う内容は、精神科の作業療法的な関わりではあるものの、診療報酬でいわれる「精神科作業療法」ではありませんので、助手に関する規則はありませんが、当該病院に作業療法室か生活機能回復訓練室は必要です(面積基準はありません)
Q.作業療法の経験を有する看護師とは?
A.明確なお応えができないですが、看護協会で行う関連する研修(デイケア研修や通信での研修
)を受けた方が対象のようです。はっきりとしたことが分かり次第お知らせいたしますが、これだけ養成校が増えた現在では、やはり専従のOTが入るべきだと思います。なお、経験のある看護師さんが担当する場合、その方は病棟の看護要員の人数には含まれません。
Q.精神療養病棟のOTは毎日必要ですか?
A.施設基準に含まれていますので毎日必要です。例えばOTが一人の場合は、その人が休んだ日には人員基準を満たしていないということになり、その日は療養病棟入院料が請求できない可能性があります。(この件についてはまだ厳密にはいわれてなさそうですが)ですから、OTを複数にするか、OTと経験を有する看護師が交代できる体制になっていることが望まれます。
Q.精神療養病棟に専従するOTが精神科作業療法を請求できますか?
A.施設基準上「専従するOT」とありますで、複数の施設基準での兼務はできないと思います。しかし療養病棟に複数のOTがいる場合、非常勤専従という形で、必ず一人は病棟に専従しているということであれば解釈上は可能になると思います。
Q.老人性痴呆疾患療養病棟での精神科作業療法はどうでしょうか?
A.これに関しても、基本的に精神療養病棟と読み替えて解釈できると思います。しかし、老人性痴呆疾患療養病棟では一日2時間、週5日の機能回復訓練が義務つけられていますので、それを行った上でされに精神科作業療法を2時間行うのですから、対象者の疲労などを考慮すると現実的には難しいかも知れません。
Q.老人性痴呆疾患治療病棟、治療病棟での機能回復訓練の内容は?
A.治療病棟では一日4時間、週5日、療養病棟では一日2時間の機能回復訓練を行うこととなっています(必ずしもOTが行わなければならないわけではありませんが)。しかしその内容については「精神症状等の軽快及び生活機能の回復」とあるだけで、詳しくは書かれていません。そのために現場で苦労されていることと思いますが、残念ながら明確な答えがありません。しかし高齢者に一日4時間という長時間の訓練は現実的には困難です。ですからADL上の関わり、例えば食事時間に30分援助・指導をしたとすると、一日3回ですので、これで90分。排泄時の援助が合計30分。というようにしてその合計時間と解釈するのが妥当だと思います。ただ気になることとしては、人員基準が作業療法士となっているだけで、理学療法士は認められていないことです。だとするとこの機能回復訓練は精神症状の快復を主に考えられているのではないか、それではADLでの関わりに際しても、精神症状を意識した援助指導が必要なのだ、ということになると思います。これらのことを意識して援助計画をたてて、毎日記録して、合計時間が基準を満たさなくてはなりません。
プログラムに関する事
Q.金銭授受を伴うプログラムについて
A.県によって多少ニュアンスが違うようですが、全体の方向性としては「作業療法という治療の中で、収益があがることは望ましくない」ということです。場合によっては「お金の流れを明確に記録しておくこと」として、要するに患者さんに対する使役活動をしていないか、病院の収益になっていないか、という観点で見ていることもあるようです。
同じようなことが喫茶活動に於いても議論されていますが、そのプログラムの意義もありますので、慎重に検討しなければなりません。
Q.園芸作業やクラフトなどでできた作品を販売した収益はどのように取り扱えばよいでしょうか
A.基本的には、直接参加している患者個人に全額還元することとなっていますが、これも上記の問題と同じように、収益を伴う活動になってしまいますので慎重に取り扱うことが必要です。これまでPOTAに寄せられた意見では、材料費の半額をめどに実費販売している(この徴収したお金の流れも問題ですが)というところもありましたが、材料費も含めて全て無料で提供するのが原則だと思います。作成者と買い取り者が別の場合、多少難しいのですが、患者さんへの還元(個別?集団?)が原則になります。
これについても作業療法上の意義がありますので、検討が必要でしょう(機関誌Vol.19の51ページを参照
Q.専用施設外の活動に制限がありますか
A.専用施設を有することで施設認可が得られるのであって、専用施設内で行った場合のみが認められると言うわけではありません。ですから「活動場所、目的、評価」をしっかりしておけば可能だと思われます。しかし施設外の活動を週1回までにするようにとの口頭指導しているところもあるようです。また措置患者に関しては病院敷地外には出れません。
Q.病棟行事などのレクリエーションを精神科作業療法として請求することは可能ですか
A.可能か不可能かという二者択一とするならば、「可能」だと思います。例えば、病棟が主体で行う盆踊りで作業療法に参加している患者さんのグループで露店を出すとすれば
、その時はレクという場面を利用して、作業療法としての 何らかの目的と意図を持って行うのですから、露店に参加した患者さんに対しては「精神科作業療法」を請求することは何ら問題はないと思いますが、ただ単にレクに参加したからと言って「精神科作業療法」を請求するのはいかがなものでしょうか?
Q.病院の行事への作業療法士の関わり
A.これはケースバイケースですので「これが良い」とうことは言えませんが 、今後は入院も短期になりレク行事の意義も変わってくると思われます 。ただし一方では病院が生活の場となっている「長期入院」の方もいらっしゃいます。そのような方にとってはこれからも季節行事なども意味のあることだと思いますが、それでも大集団ではなく小グループ化したなかで、本当に意味のある活動に変化させなければならないと思います。作業療法士としては他職種との連携を図りながらも「OTが本来やるべき事は何かを確認して、その上で行事にかける比重を決めていくことが大切」でしょう。
Q.日曜、祭日もデイケアや作業療法をやっていいのですか?
A.対象者のニーズ、経営者のニーズいろいろあるかと思いますが、基本的にはいつでも構いません。しかし人員基準は常に適応されますし、デイケアは外来診療の一部ですので医師の診察も必要です
その他
Q.経営側から「一日に75人請求しなさい」といわれるのですが・・・
A.難しい問題です。これといった名案があるわけではありませんが、参考になれば・・・
OT協会で以前に取った統計によると、全国平均で34人ということでしたが、現実的な数字としては25人前後ともいわれています。いずれにしても何らかの対応が迫られているのですから、これまでPOTAに寄せられた皆さんからのご意見をご紹介します。
・現在の実践での対象者の変化や効果について説明し理解してもらう。
・プログラムの工夫により、取り扱い数を増やす努力をしてみて、その努力や工夫を伝える。
・多の職種から援護してもらう(例えば医局など)
・人件費や必要経費、作業療法に関わる減価償却などを計算して、少なくとも赤字にならない取り扱い数を相談する。
・治療効果よりも経済効果のみを要求する施設は時代に取り残される事、自分はこの施設を地域(あるいは日本で)で一番の施設にしたいと思って仕事をしている旨を伝え、それでもダメなら…